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レプリコンワクチンの実態に迫る:コスタイベ®筋注用の市販直後調査から見えるもの

はじめに

 2023 年に国内初承認されたレプリコン(自己増幅型)mRNAワクチン コスタイベ®筋注用。少量で持続的な抗原発現が期待される次世代プラットフォームとして注目されています。本記事では、販売開始から6 か月間にわたる市販直後調査の最終報告を読み解き、実際の副反応状況と臨床的インパクトをまとめました。


レプリコンmRNAとは?

  • 自己増幅機構:アルファウイルス由来リプリカーゼ配列が導入され、細胞内で抗原mRNAが自己複製するため、従来mRNAの最大100分の1投与量で同等免疫を得られる可能性があります。NatureNature

  • メリット:用量節減・長期免疫・製造コスト低減。

  • 安全性懸念:長時間発現やシェディング不安が挙がるものの、mRNA増幅は一過性で他者へ伝播しないとWHO・厚労省が説明しています。厚生労働省WHO


市販直後調査の要点

 指標結果調査期間2024/9/30〜2025/3/29実施施設297(うち高齢者施設141)推定接種者16,128人因果否定できない副反応705例/2,881件重篤副反応8例11件(0.05%)死亡・因果否定不可2例(0.012%)

(Meiji Seika ファルマ最終報告書より)Meiji Seika ファルマ株式会社公式ホームページ


よく見られた副反応トップ6

  1. 注射部位痛 848件

  2. 発熱 321件

  3. 倦怠感 308件

  4. 頭痛 241件

  5. 筋肉痛 192件

  6. 関節痛 150件

頻度・持続日数とも既存mRNAワクチンと大差ありませんMeiji Seika ファルマ株式会社公式ホームページ


重篤症例の内訳と考察

 症例件数コメント発熱2高熱誘発の循環動態変化が背景。全例回復。誤嚥性肺炎2基礎疾患高齢者。1例死亡だが因果否定。高拍出性心不全2心不全既往例で増悪。全例回復。死亡(因果否定不可)2高齢・多疾患、直接関連は未確定。呼吸不全 / 脳梗塞 / 吐血 / 新生児一過性頻呼吸各1いずれも個別要因を併存。


メーカーの結論と専門家の視点


まとめと今後の課題

  1. 安全性プロファイルは従来mRNAと同等だが、サンプルサイズはまだ限定的。

  2. 高齢・慢性疾患患者では発熱後の合併症に注意。

  3. 長期フォローで希少リスク(心筋炎など)検出が必要。

  4. 低用量で長期免疫の真価はブースター戦略の変革につながる可能性。


接種を検討している方へ

  • 最新の添付文書・副反応情報を必ず確認し、接種後は48時間の体調変化に注意してください。

  • 高齢者や持病をお持ちの方は、事前に主治医とリスク—ベネフィットを相談することを強く推奨します。


本記事は公表資料に基づき執筆しましたが、接種判断は医療専門家との相談の上で行ってください

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