片頭痛は、頭の血管が拡張して起こる神経疾患です。頭の片側にズキンズキンと脈打つような痛みがあり、吐き気や嘔吐、光や音に対する過敏さなどを伴います。片頭痛は、月に4~14日の頭痛日数を持つ反復性片頭痛と、月に15日以上の頭痛日数があり、そのうち8日以上が片頭痛である慢性片頭痛に分類されます。片頭痛は、障害や生活の質の低下を引き起こす重大な問題です。
片頭痛の治療には、発作時に服用する急性治療薬と、発作の予防に服用する予防治療薬があります。予防治療薬は、発作の頻度や重度を減らすことができますが、副作用や効果の遅れなどの問題があります。そのため、多くの患者が予防治療薬を使用していません。
最近、新しい予防治療薬とし注目されているのが、ガルカネズマブという薬剤です。ガルカネズマブは、片頭痛の原因となるカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)という物質をブロックする抗体です。これをブロックするとCGRPの機能が落ちるので、片頭痛が起こりにくくなります。一度に月1回皮下注射として投与されます。ガルカネズマブは、反復性片頭痛および慢性片頭痛患者において、月間片頭痛日数を減少させることが臨床試験で証明されており、安全性も高いことが示されています。
片頭痛は若い人に発症しやすく、学生時代や家庭、仕事での生活の質を落とす可能性がある疾患です。
ガルカネズマブは、片頭痛予防治療において発作を減らす可能性がある新しい治療法です。ガルカネズマブに関する詳しい情報は、以下の論文を参考にしてください。片頭痛かなと思ったら医療機関を受診して相談するようにして下さい。
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