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自由診療

体重増量サポート外来

「食べてもなかなか太れない」「痩せすぎている」という悩みは、過体重とは異なる深刻さを持つことがあります。その背景には、体質的要因、医学的要因、そして生活習慣的要因が複雑に絡み合っている可能性があります。当院では、健康的な体重増加のための実践的なアプローチを提案し、個々に合わせてサポートいたします。

1.そもそも太りにくいわけ

1.1 体質的要因

基礎代謝が高い(High BMR)

基礎代謝量:生命維持に最低限必要なエネルギー(1日の総エネルギー消費量の約60~70%)

主要な消費臓器:骨格筋、肝臓、脳

影響要因:年齢、性別、体格、体温、ホルモンバランス、季節

遺伝的素因

関連遺伝子:現在100種類近く確認

• β3アドレナリンレセプター遺伝子(β3AR)

• 脱共役たんぱく質1遺伝子(UCP1)

• β2アドレナリンレセプター遺伝子(β2AR)

​腸内環境

バランスの取れた腸内細菌叢は、栄養素の吸収やエネルギー調節に影響を与えるため、太りにくい体質と関連している可能性があります。

1.2 「太りにくい」が病気のサインである場合

消化吸収障害(Malabsorption Syndrome)

主な原因疾患:

  • 慢性膵炎(消化酵素の産生障害)

  • セリアック病(グルテン不耐性)

  • クローン病(炎症性腸疾患)

  • 短腸症候群

  • 胆道閉塞

  • 乳糖不耐症(重度)

  • 小腸内細菌異常増殖(SIBO)

注意すべき症状:

  • 慢性的な下痢

  • 脂肪便(白っぽく、水に浮く便)

  • 腹痛、腹部膨満感

  • ビタミン欠乏症状

  • 意図しない体重減少

内分泌・代謝疾患

  • 甲状腺機能亢進症:代謝の異常亢進

  • コントロール不良の糖尿病:尿糖によるカロリー損失

  • 副腎機能低下症:食欲不振

  • 褐色細胞腫:代謝亢進

その他の疾患や状態

  • 慢性感染症:結核、HIV感染症など

  • 悪性腫瘍:代謝亢進、食欲不振

  • 精神疾患:うつ病、神経性やせ症

  • 薬剤の副作用:抗うつ薬、化学療法薬など

1.3 生活習慣要因:多くは改善可能

食事摂取の問題

  • 摂取不足・障害

  • 不適切な食事内容

  • カロリー密度の低さ

  • 必須栄養素の不足

身体活動・生活リズム

  • 過度な身体活動

  • 睡眠不足

  • 朝食の欠食

  • 姿勢の悪さ

精神的要因

  • 高ストレス

  • 食欲調節ホルモンの乱れ

  • 消化機能への影響

  • 代謝の変化

「食べても太りにくい」主な原因とセルフチェックポイント

「食べても太りにくい」主な原因とセルフチェックポイント

2. 痩せすぎて困ること

痩せすぎている状態(一般的にBMI<18.5)は、単に外見上の問題だけでなく、様々な健康リスクを伴います。

栄養不足と身体機能への影響

  • 骨粗鬆症

カルシウム、ビタミンD不足、エストロゲン低下により骨密度が低下

  • 貧血

鉄、ビタミンB12、葉酸の不足が原因

  • 免疫力低下

感染症にかかりやすくなる

  • 集中力・意欲低下

認知機能やエネルギーレベルに影響

ホルモンバランスと妊娠への影響

  • 無月経・無排卵

視床下部-下垂体-卵巣系への影響で妊孕性が低下

  • 妊娠・出産リスク

切迫早産、早産、低出生体重児のリスク増加

DOHaD学説:母親の栄養不足が次世代の生活習慣病リスクを高める可能性

るい痩(病的痩削)

  • 標準体重を20%以上下回る、または6ヶ月以内に10%以上の体重減少がある病的状態

  • 神経性やせ症では6~20%が死亡するとされ、命に関わる病気という認識が必要

3.健康的に体重を増やすために

3.1 食事の基本

健康的に体重を増やすために

健康的な体重増加のためのPFCバランスと食事例

おやつを追加するとラク!小食な方は小分けにして食べるのがおすすめ!​(食事回数4~6回/日)

健康的な体重増加のためのPFCバランスと食事例

3.2 運動のポイント

筋力トレーニングの効果

  • 除脂肪体重(筋肉量)の増加促進

  • 基礎代謝量の向上

  • 食欲増進効果(個人差あり)

  • 複合筋群を鍛えるコンパウンド種目が効果的

  • 筋トレは週2~3日、全身まとめて

  • スクワット・腕立て・懸垂など”大きい筋肉”優先

  • 頑張りすぎると食欲低下に繋がるので注意

  • ​”きついけど会話ができるく”くらいの強度がベター

3.3 生活習慣の改善

質の高い睡眠

  • 7~9時間の睡眠確保

  • 規則正しい睡眠スケジュール

  • 暗く静かな寝室環境

  • 就寝前のカフェイン回避

  • 温かい入浴でリラックス

睡眠不足は食欲調節ホルモンを乱し、代謝に悪影響

ストレスマネジメント

  • 運動による発散

  • 瞑想・マインドフルネス

  • 自然の中で過ごす

  • 趣味の時間を確保

  • 社会的サポートの活用

慢性ストレスは食欲、消化、ホルモンバランスを乱す

腸内環境を整える

  • ロバイオティクス食品

  • ヨーグルト、納豆、キムチ

  • プレバイオティクス摂取

  • 食物繊維(耐えられる範囲で)

  • 十分な水分補給

健康な腸内細菌叢は良好な消化と栄養吸収に重要

4.当院で行う「太りたい」人のためのサポート

「痩せたい」という悩みと同様に、「太りたい」「健康的に体重を増やしたい」という悩みも切実です。

【診療プロセス例】

1.包括的評価と原因究明

詳細な問診、身体測定、血液検査など

2.個別化された目標設定

現実的で達成可能な体重増加目標、健康的な体組成改善

3.専門的な食事療法

管理栄養士による詳細な栄養指導、個別食事プラン作成

4.効果的な運動療法
筋力トレーニングプログラムを作成

【期待される効果とメリット】

  • 専門家管理下での安全で健康的な体重増加

  • 栄養状態改善によるQOL向上

  • 健康リスクの低減

  • 科学的根拠に基づく専門的アドバイス

  • 継続的なサポートとフォローアップ

5.自己判断せず相談を

こんな時はすぐ病院!

  • 6~12ヶ月で体重が5%~10%以上ストンと落ちた

  • 原因不明の疲労感、寝汗、下痢、発熱、動機、手の震えなど

  • 食事・運動改善にも関わらず体重増加困難

  • 便や尿がやたら変、血が混じる

専門家による診断の重要性

  • 自己判断は誤解を招きやすく、治療を遅らせる可能性

  • 医師・管理栄養士による適切な評価と検査指示

  • 個人に合わせた安全なアドバイス提供

  • 基礎疾患の除外診断

5.スタートガイド

​1.まずは2週間、+500kcal&週2回筋トレを試す。

2.体重が月0.5~1㎏増えたら合格。増えなければさらに、+200kcal。

​3.疲労が抜けない日は休むのもトレーニングのうち。

「昨日より一口多く食べた」

「腕立てが2回増えた」など

小さな成功を毎日積み重ねよう!

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ソイプロテイン

当院で販売中の「ソイプロテイン」をぜひご活用ください!

​ハンバーグやお好み焼きなどに混ぜるだけで、食べる量は増やさずたんぱく質を強化できます。

6.手軽に栄養摂取できるものを活用しよう!

・質の高い植物性のたんぱく質

​・乳アレルギーの方でも使用できる

​・食事量を増やせず悩んでいる方におすすめ

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