意外と知られていない百日咳ワクチンの話
- たくや いわさき
- 4月14日
- 読了時間: 2分
小学校高学年~中学生の接種について
日本では11歳頃に二種混合(DT)ワクチン(ジフテリア・破傷風)が定期接種として行われています。ただ、このワクチンには百日咳の成分が含まれていません。
しかし、日本小児科学会は、11~12歳で三種混合(DPT)ワクチン(ジフテリア・破傷風・百日咳)の追加接種を任意で推奨しています。これは小学校入学前に接種したワクチンの免疫が弱くなり始めるこの時期に、再び接種することで、百日咳への免疫を強化し、中学生以降の感染リスクを低減することが目的です。
高校生から成人の接種について
残念ながら、日本では高校生以上の年代に対する百日咳ワクチンの定期接種制度はありません。しかし海外では、成人・高齢者に対する百日咳ワクチン(Tdapワクチン)の接種が一般的になっています。
特に妊婦さんや新生児・乳児と頻繁に接する家族、医療従事者、保育士や教師など子どもと密接に接する職業の方には、成人用の百日咳ワクチン(Tdap)の接種が推奨されています。日本でも一部の医療機関(当院を含む)では輸入ワクチンを使って任意接種(有料)を提供しています。
成人の中でも特に接種が推奨される方
妊婦の方(妊娠中期~後期に接種することで、母体の免疫を赤ちゃんに移行し、生まれたばかりの赤ちゃんを守ります。)
新生児や乳児と接触することが多い家族の方(特に両親や祖父母)
医療従事者(特に産婦人科、小児科、呼吸器内科のスタッフなど)
保育士や学校の先生(子どもと密接に接する機会が多い職業の方)
百日咳は激しい咳が長期間続き、肺炎や骨折などの合併症を引き起こすことがあります。自分自身を守るだけでなく、大切な家族や周りの人を守るためにも、小学校高学年から成人にかけての百日咳ワクチン接種をぜひご検討ください。
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