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葛根湯って結局どうなの?

ざっくり本音まとめ

・風邪の初期に飲んで安心感はあるけれど、医学的にはまだまだ不透明。

・肩こりへの効果は、残念ながら今のところ明確な根拠に乏しいです。

・蕁麻疹には抗ヒスタミン薬と一緒なら活躍できるけど、単独では正直微妙。


でも効く人には効く印象があります。何を言いたいのかよく分かりませんが解説します。

私が好きなCMに昔のバファリンのCMがあります。半分は優しさで出来てるってCMです。葛根湯はツムラの1番です。1番には何か訳があると思ってます。


葛根湯とは?

漢方薬の歴史と背景

葛根湯は、中国の漢方医学が日本に伝わった古代から使われている歴史ある薬です。もともとは『傷寒論(しょうかんろん)』という漢方医学の古典に記載されており、体を温めて風邪の初期症状や筋肉のこわばりなどを和らげる目的で使われてきました。現代の日本では、市販薬としても広く販売され、多くの方が一度は手にしたことがある漢方薬と言えるでしょう。 では、実際のところ葛根湯の効果はどの程度あるのでしょうか?最新の研究をもとに分かりやすく解説していきます。 


① 急性上気道炎(いわゆる「風邪の初期」)への効果

風邪のひきはじめには、熱や悪寒、頭痛、首のこわばりがよく現れます。葛根湯は昔から、このような症状に使われてきました。 実際の研究では、葛根湯と市販の風邪薬を比べたところ、「症状が悪化しにくい」という点でほぼ同じ効果が確認されています(Okabayashiら、2014年)。つまり、「葛根湯は市販薬に劣らない」ということですが、一方で、偽薬(プラセボ)と比較したしっかりした研究はまだ少なく、葛根湯そのものに「はっきりとした治療効果があるか」はまだ科学的に証明しきれていません。 簡単に言うと、「葛根湯を飲むと風邪が悪化しにくいかもしれないが、はっきりとした証拠はまだ不十分」といった状況です。 


② 肩こりへの効果は?

肩こりや首のこわばりにも葛根湯が使われることがあります。確かに古くからの経験として使われてきましたが、実際には肩こりに効くという明確な科学的根拠はほとんどありません。 最近の小規模な研究(高月ら、2023年)では、「緊張型頭痛」(肩や首の筋肉が張って起こる頭痛)に葛根湯を飲むと痛みが和らぐことが示唆されています。しかし、この研究もプラセボ(偽薬)との比較がなく、「葛根湯の効果」なのか「思い込み(プラセボ効果)」なのかは区別できませんでした。 「葛根湯が肩こりに効く」というには、より質の高い研究が必要な状況です。 


③ 蕁麻疹(じんましん)への効果は?

意外に思うかもしれませんが、葛根湯は特定タイプの蕁麻疹に対しても使われることがあります。しかし、実際の研究(田中ら、1991年)では、「葛根湯だけ」だと抗ヒスタミン薬(一般的なかゆみ止めの薬)よりも効果は低いことがわかっています。 ただし興味深いのは、抗ヒスタミン薬の量を半分に減らして葛根湯と一緒に使うと、通常量の抗ヒスタミン薬と同じくらいの効果があり、さらに眠気などの副作用が軽減される可能性があるということです。

ただ、この研究も小規模で方法に限界があり、決定的な結論とはいえません。 蕁麻疹に対して葛根湯を使う場合は、「あくまで補助的に考える」のが現実的な使い方でしょう。 


医師のまとめ

「葛根湯は使える?使えない?」 ここまで読んで、「結局葛根湯って使えるの?」と思った方も多いでしょう。まとめると、葛根湯は長い歴史と使用経験はありますが、現代医学の基準では、まだはっきりとした科学的証明はありません。 風邪には「市販薬と同程度」の効果がありそう(ただしプラセボ比較はまだ不十分)。 肩こりには明確な証拠はない。 蕁麻疹には、抗ヒスタミン薬と併用すると少ない薬で効果があるかもしれない。 葛根湯は完全に否定されるものではありませんが、科学的な視点では「やや慎重に見る必要がある」というのが現状です。今後の研究でさらに明確な効果が示されることを期待したいですね。 


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