top of page

大人こそ気をつけたい!麻疹(はしか)ワクチンの最新知識とその重要性

「はしかって、子どもがかかる病気じゃないの?」

そう考えている大人が多いのですが、実は近年、日本を含め世界各地で麻疹の流行が相次いでいます。しかも、感染した成人は重症化しやすく、合併症のリスクも高いことをご存じでしょうか?

今回は、『大人の麻疹ワクチン接種』に関する最新知識を、わかりやすくご紹介します。


麻疹(はしか)は大人にも危険!


麻疹は非常に感染力の強いウイルス感染症です。一人の患者から平均12〜18人に感染させるほどの強力な感染力があります。

「子どもの病気」と思われがちですが、実は大人が感染すると肺炎や脳炎などの重い合併症を引き起こすリスクが高まります。特に妊婦や免疫が弱っている方に感染すると、命に関わることさえあります。

2015年、日本はWHOから麻疹排除状態(国内の麻疹が一定期間確認されない状態)の認定を受けましたが、海外から持ち込まれるケースが散発的に起きています。実際、近年の流行では、20〜40代の成人が中心でした。


あなたは麻疹に対する免疫を持っていますか?


大人世代の多くは、子どもの頃に1回だけ予防接種を受けただけの人が多いです。しかし実際、麻疹の免疫を確実に獲得するには2回のワクチン接種が推奨されています。

次のいずれかに当てはまる方は特に注意が必要です。

  • 麻疹のワクチン接種を1回しか受けていない方

  • 麻疹にかかったことがあるかどうか分からない方

  • 麻疹ワクチンの接種記録が不明な方

上記の場合、抗体検査をして免疫の有無を調べるか、念のためワクチンを接種することが推奨されます。


特にワクチン接種を検討すべき人たち


次のリスクに該当する方は特に積極的に接種を考えてみてください。

  • 医療従事者(医師、看護師、薬剤師など)患者さんに接する機会が多く、院内感染を防ぐためにも、麻疹への免疫が欠かせません。

  • 保育士、教職員など教育関係者集団生活をする子どもや学生たちを守るため、接種が推奨されています。

  • 空港や旅行関係の仕事をしている方海外から持ち込まれるケースが多いため、特に免疫を持つことが大切です。

  • 海外へ渡航予定がある方アジアやアフリカなど、まだ麻疹が多く流行している地域に行く方は、出国前の接種が必要です。

  • 妊娠を考えている女性や、その家族・パートナー妊娠中に麻疹に感染すると流産や早産のリスクがあります。妊娠前に接種して免疫を確実にしましょう。

  • 免疫が弱っている方の家族がん治療中や免疫抑制剤を服用中の方自身は、生ワクチンが打てない場合もあります。周囲の家族や友人が免疫を持つことが、その方を守る唯一の方法です。


抗体検査は簡単にできます!


「自分はワクチンを打ったか覚えていない…」という方は、『抗体検査』を受ける方法もあります。

  • 検査内容:採血のみ(1回の通院で完了)

  • 結果が出るまでの時間:通常数日〜1週間程度

  • 費用の相場

    • 東京など大都市:1項目7,000~8,000円程度

    • 大阪・神奈川など:1項目2,500~3,500円程度

気になる方は、お近くの医療機関にお問い合わせください。


世界のガイドラインはどうなっているの?

世界保健機関(WHO)やアメリカ疾病対策予防センター(CDC)も、大人の麻疹対策を重要視しています。

特にWHOは、「麻疹を世界から排除するためには、子どもだけでなく全ての感受性のある成人へのワクチン接種が必要だ」と述べています。

日本と世界の違いとして、アメリカでは1957年以前に生まれた人は自然感染によって免疫があると推定していますが、日本ではこうした一律の推定はなく、抗体検査を行って個別に判断することが一般的です。


あなたと大切な人を守るためにできること

麻疹の感染は自分だけの問題ではありません。自分自身が感染することはもちろん、大切な家族や友人、同僚に広げてしまう可能性もあります。

あなたが今、麻疹ワクチン接種や抗体検査を検討することは、あなたの大切な人々を守る行動です。


まとめると、以下のステップがおすすめです

  • まず、自分の接種歴を確認しましょう。

  • 接種歴が不明なら、抗体検査を受けて免疫を確認しましょう。

  • 免疫が不十分であれば、医療機関でワクチン接種を行いましょう。

  • リスクが高い職業や海外渡航予定がある方は、早めに接種を済ませましょう。


麻疹はワクチンで予防可能な病気です。あなた自身とあなたの大切な人を守るために、ぜひ行動を起こしましょう。

最新記事

すべて表示
山形はなぜHPVワクチン接種率“全国1位”になれたのか —草の根の実装を読み解くケーススタディ—

【3行まとめ】 > 1. 2025年3月末時点、山形県の16歳「累積初回接種率」は 82.1% で全国トップ。   > 2. 指標は1回以上接種の割合(=完了率とは別)。   > 3. 成功の核は、生活導線に情報を置く(店頭ポスター等)× 学校と専門家の連携 繰り返しの周知。 1. まず“数字”を正しく掴む - 報道・可視化サイトの一致する読みでは、16歳の累積初回接種率で山形が 82.1% 。

 
 
 
【若い人が今ワクチンを打つ、いちばん現実的な理由】

若くても感染は体に“負債”を残します。 読めば、心臓と脳を守る接種の意味が分かります。 感染直後は血管トラブルが跳ね上がります。 再感染は臓器リスクを積み増します。 ワクチンはその確率を下げます。 ・呼吸器感染後1か月は、心筋梗塞・脳卒中が数倍。肺塞栓は約25倍。  1年も高めが続きます。   ・COVID再感染は死亡2倍、入院3倍など。   ・肺炎の後は、認知症リスクが約1.7倍。   ・

 
 
 
この秋のブースターは必要か インフルエンザワクチン 新型コロナワクチン

冒頭 この秋のブースターは必要か。 最新の大規模研究を、短く要約する。 接種で重症化と死亡が下がる。 要点 効果は全年齢・基礎疾患の有無で一貫。 ただし観察研究で、因果は限定的。 効果は季節内で徐々に薄れる。タイミングが大事。 具体 ・米退役軍人30万人規模。比較は  「コロナ+インフル同時接種」対「インフルのみ」。  救急29%減、入院39%減、死亡64%減。  1万人あたり救急18件、入院7.

 
 
 

コメント


bottom of page