手足口病の原因と家庭でできる対策|症状・うつり方・登園の目安
更新日:7月24日
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子どもの手のひらや足の裏、口の中に小さな発疹や水ぶくれのようなものが出ると、手足口病ではないかと心配になる方は多いと思います。
手足口病は、乳幼児を中心に主に夏に流行するウイルス感染症です。多くは軽症で自然に改善しますが、口の中の痛みで水分が取りにくくなり、脱水に注意が必要になることがあります。まれではありますが、髄膜炎、脳炎、心筋炎などの合併症が起こることもあります。大切なのは、発疹の見た目だけではなく、水分が取れているか、元気があるか、普段と違う症状がないかを見ることです。
手足口病の原因はエンテロウイルス
手足口病は、エンテロウイルスというウイルスの仲間によって起こります。代表的な原因としては、コクサッキーウイルスA16、コクサッキーウイルスA6、エンテロウイルス71などがあります。原因となるウイルスが一つではないため、一度かかったあとでも別の型のウイルスで再びかかることがあります。
どのような症状が出るのか
潜伏期間は一般に3〜5日ほどです。その後、口の中、手のひら、足の裏、足の甲などに小さな水疱を伴う発疹が出ます。膝やおしり周囲に発疹が出ることもあります。発熱はあっても高くないことが多く、多くの子どもは数日から1週間ほどでよくなります。
特に生活に影響しやすいのは、手足の発疹よりも口の中の痛みです。口内の水疱や潰瘍のために、食事だけでなく飲み物も嫌がることがあります。食事が一時的に減ること自体よりも、水分が取れなくなることのほうが重要です。【turn314360view4†L30-L36】
手足口病はどうやってうつるのか
手足口病の感染経路は主に3つです。咳やくしゃみなどのしぶきによる飛沫感染、唾液や水疱の内容物、汚れた手や物を介する接触感染、そして便に出たウイルスが口に入る糞口感染です。特に乳幼児が集団生活をする保育施設では広がりやすいとされています。
また、症状が治まったあとも便の中にはしばらくウイルスが排泄されます。東京都健康安全研究センターでは、発疹が消えたあとも3〜4週間は便にウイルスが排泄されると案内しています。そのため、発症した子だけを完全に隔離して感染を防ぐのは難しく、日頃の手洗いがとても重要です。
家庭でできる治療とケア
手足口病そのものを治す特別な治療薬はありません。基本は経過を見ながら、痛みや発熱、水分不足に対して対症療法を行います。抗菌薬は細菌に使う薬なので、通常は手足口病そのものには効果がありません。
水分は少量ずつ、こまめに
口の中が痛いと、一度にたくさん飲むのは難しいことがあります。少量ずつ、回数を分けて飲ませるほうが飲みやすいことがあります。水、お茶、経口補水液など、本人が飲みやすいものを選びましょう。酸味の強い飲み物や炭酸飲料はしみることがあるため、避けたほうが無難です。脱水予防は家庭で最も大事なポイントです。
食事は刺激の少ないものを
口の中が痛いときは、おかゆ、やわらかいうどん、スープ、豆腐、ヨーグルト、ゼリーなど、やわらかくて刺激の少ないものが食べやすいことがあります。熱いもの、辛いもの、塩分や酸味が強いもの、硬いものは痛みを強めることがあります。無理にたくさん食べさせるより、水分を保ちながら食べられるものを少しずつにするのが基本です。
解熱鎮痛薬は自己判断で増減しない
発熱や痛みがつらいときは、年齢や体重に合った解熱鎮痛薬が役立つことがあります。ただし、子どもの薬は量の調整が重要です。手元にある大人用の薬を自己判断で使うのではなく、医師や薬剤師に確認しましょう。家庭での症状緩和は有用ですが、薬の使い方は慎重に考える必要があります。
家庭内で感染を広げにくくする対策
感染を完全に防ぐことは難しいものの、家庭内で広がるリスクを減らすことはできます。特に大切なのは、石けんと流水による手洗いです。トイレのあと、おむつ交換のあと、鼻水や唾液を拭いたあと、食事前、発疹や水疱に触れたあとには、しっかり手を洗います。小さな子どもは大人が一緒に洗ってあげると安心です。
タオルの共用は避け、できれば個別のタオルかペーパータオルを使います。おむつは周囲を汚さないように処理し、交換後は必ず手を洗います。ドアノブ、テーブル、おもちゃなど、よく触る場所を清潔に保つことも大切です。食器やコップ、歯ブラシの共用も避けたほうがよいでしょう。
登園・登校はいつからできるのか
手足口病では、発疹が完全に消えるまで必ず休まなければならないわけではありません。厚生労働省の保育所向けガイドラインでは、登園のめやすを「発熱や口腔内の水疱・潰瘍の影響がなく、普段の食事がとれること」としています。
つまり、次のような状態であれば、登園や登校を検討しやすくなります。
* 熱がない
* 元気がある
* 水分が取れる
* 普段どおりに近い食事ができる
一方で、発熱が続く、口の痛みが強くて飲食が難しい、下痢が強い、ぐったりしているといった場合は、まだ集団生活に向かないことがあります。園や学校によって運用が異なることもあるため、事前に確認しておくと安心です。
医療機関に相談したほうがよい症状
多くは自然に回復しますが、次のような場合は早めに医療機関へ相談してください。
* 口が痛くて水分をあまり取れない
* 尿の回数や量が少ない
* ぐったりして元気がない
* 発熱が続く
* 頭痛が強い
* 嘔吐を繰り返す
* 症状が1週間ほどたっても改善しない
* 発疹の出方が典型的でなく診断がはっきりしない
手足口病では、まれに髄膜炎や脳炎、心筋炎などの重い合併症が起こることがあります。発熱に加えて頭痛や嘔吐が目立つ場合は、単なる発疹の病気と決めつけずに受診を検討することが大切です。
救急受診を考えたい状態
次のような場合は、夜間や休日でも救急受診を考えてください。
* 水分がほとんど取れない
* 反応が悪い、意識がはっきりしない
* けいれんがある
* 呼吸が苦しそう
* 嘔吐が止まらない
手足口病といわれていても、普段と明らかに様子が違うときは別の病気や合併症も考える必要があります。迷うときは救急相談窓口の利用も検討してください。
手足口病でよくある誤解
一度かかればもうかからない
手足口病は複数のエンテロウイルスで起こるため、別の型に感染して再びかかることがあります。
抗菌薬を飲めば早く治る
手足口病はウイルス感染症なので、通常は抗菌薬では治りません。症状に応じたケアが基本です。
発疹が残っている間は登園できない
登園の判断は、発疹の有無だけではなく、熱がないこと、口の症状の影響が少ないこと、普段の食事が取れることが目安になります。
子どもだけの病気ではない。
乳幼児に多い病気ですが、大人も感染します。家族内でうつることもあるため、看病する側も手洗いや接触後の衛生管理が大切です。
まとめ
手足口病は、主に乳幼児に多いエンテロウイルス感染症です。多くは軽症で自然に改善しますが、口の中の痛みによる水分不足には注意が必要です。家庭では、水分を少しずつこまめに取ること、刺激の少ない食事にすること、手洗いを徹底すること、おむつや便の処理を丁寧に行うことが大切です。発疹だけを見るのではなく、元気さや水分摂取、反応の様子まで含めて全体をみることが重要です。
発熱が続く、ぐったりしている、強い頭痛や嘔吐がある、水分が取れないといった場合は、早めに医療機関へ相談してください。多くは慌てすぎなくてよい病気ですが、見ておくべきポイントを押さえておくと、家庭でも落ち着いて対応しやすくなります。
参考情報
* 厚生労働省「保育所における感染症対策ガイドライン(2018年改訂版、2021年8月一部改訂)」https://www.mhlw.go.jp/content/001005138.pdf(確認日:2026年7月11日)
* 東京都健康安全研究センター「手足口病 Hand, Foot and Mouth Disease」https://idsc.tmiph.metro.tokyo.lg.jp/diseases/handfootmouth/(確認日:2026年7月11日)
* CDC「About Hand, Foot, and Mouth Disease」https://www.cdc.gov/hand-foot-mouth/about/index.html(確認日:2026年7月11日)
* CDC「HFMD: Causes and How It Spreads」https://www.cdc.gov/hand-foot-mouth/causes/index.html(確認日:2026年7月11日)
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