筋トレは「週2回のスクワット」だけでいい
- たくや いわさき
- 6 日前
- 読了時間: 6分
初心者は、完璧なメニューより“続けられる一歩”から始めよう
筋トレを始めたほうがいい。
そう分かっていても、なかなか始められない人は多いと思います。
ジムに行かないといけない。
重いダンベルを持たないと意味がない。
週3回以上やらないと効果がない。
限界まで追い込まないと筋肉はつかない。
そんなイメージがあると、筋トレは一気にハードルの高いものになります。
でも、最初から“ガチ勢”のようなメニューをやる必要はありません。
むしろ初心者にとって大事なのは、最初から完璧なメニューを組むことではなく、まず続けられる形で始めることです。
Peter Attia氏らの記事でも、筋トレ初心者にとって重要なのは「筋力や筋肥大を最大化する最適メニュー」ではなく、時間・複雑さ・心理的負担を下げながら、健康効果の大部分を取れるメニューだと整理されています。
筋トレ初心者に必要なのは「最適」ではなく「十分」
筋トレの世界では、よくこういう話が出てきます。
高重量を扱う。
限界近くまで追い込む。
週3回以上やる。
複数種目を組み合わせる。
フォームや回数を細かく最適化する。
もちろん、これらは効果があります。
経験者やアスリートにとっては、とても大事な考え方です。
しかし、運動習慣がない人にとっては、最初のハードルが高すぎます。
たとえば、これまでほとんど運動してこなかった人に、
「週4回ジムに通って、バーベルスクワットとベンチプレスとデッドリフトをやりましょう」
と言っても、現実的には続きません。
忙しい。
怖い。
面倒くさい。
何から始めればいいか分からない。
その結果、何も始まらない。
これがいちばんもったいないのです。
初心者に必要なのは、100点満点の筋トレメニューではありません。
60〜80点でもいいから、今週から始められて、来月も続いているメニューです。
研究が示す「最低有効メニュー」
Currierらの2023年のシステマティックレビュー+ベイズ型ネットワークメタ解析では、健康成人を対象に、筋トレの負荷、セット数、頻度が筋力や筋肥大にどう関係するかが検討されています。この研究では、筋トレは非運動対照と比べて筋力・筋肥大を改善し、高負荷は筋力向上に有利、筋肥大では複数セットが重要と整理されています。
Peter Attia氏らの記事では、この研究をもとに、初心者にとっては中等度の重さ・複数セット・週2回でもかなりの効果が期待できると説明されています。とくに筋力については、中等度負荷を週2回行う群でも、最適化された高負荷メニューの約77%に相当する筋力向上が得られたと紹介されています。
ここで大事なのは、
「週2回で100点が取れる」
という話ではありません。
そうではなく、
週2回でも、かなり大きな効果を取りにいける
ということです。
初心者にとっては、これで十分に価値があります。
まずはスクワットからでいい
スクワットは、太もも、お尻、体幹をまとめて使う運動です。
特別な器具は必要ありません。
自宅でもできます。
さらに、スクワットは日常生活と直結しています。
イスから立ち上がる。
階段を上る。
買い物袋を持って歩く。
床から物を拾う。
旅行先で長く歩く。
こうした動きには、下半身の筋力が必要です。
つまりスクワットは、見た目のためだけの筋トレではありません。
将来も自分の足で動くための、かなり実用的な投資です。
運動不足の人は「イスを使ったスクワット」から
運動不足の人、膝や腰に不安がある人、高齢の人は、いきなり深くしゃがむ必要はありません。
まずは、イスを使ったスクワットから始めましょう。
やり方は簡単です。
1. 足を肩幅くらいに開く
2. 前に置いたイスの背もたれに軽く手を添える
3. 後ろのイスにお尻を近づける
4. お尻がイスに軽く触れるところまで下げる
5. ゆっくり立ち上がる
ポイントは、ドスンと座り込まないことです。
お尻がイスに軽く触れたら、また立ち上がります。
最初は5回でも十分です。
5回を1セット。
余裕があれば2セット。
これくらいで構いません。
大切なのは、最初から疲れ切ることではありません。
「自分にもできる」と感じることです。
慣れてきたら自重スクワットへ
イスを使ったスクワットに慣れてきたら、イスなしの自重スクワットに進みます。
自重スクワットとは、ダンベルやバーベルを使わず、自分の体重だけで行うスクワットです。
目安は、8〜12回。
セット数は、まず2〜3セット。
このとき、限界まで追い込む必要はありません。
「あと2〜3回できそう」
くらいの余裕を残して終わって大丈夫です。
フォームのポイントは3つです。
1. 膝とつま先の向きをそろえる
2. 背中を丸めすぎない
3. ゆっくり下げて、ゆっくり立ち上がる
とくに、膝が内側に入らないように注意しましょう。
膝はつま先と同じ方向に動かすのが基本です。
週2回の具体例
最初の2週間は、これくらいで十分です。
1週目
月曜:イススクワット 5〜10回 × 1〜2セット
木曜:イススクワット 5〜10回 × 1〜2セット
2週目
月曜:イススクワット 10回 × 2セット
木曜:イススクワット 10回 × 2セット
余裕が出てきたら、次の段階です。
3週目以降
月曜:自重スクワット 8〜12回 × 2〜3セット
木曜:自重スクワット 8〜12回 × 2〜3セット
これだけでも、かなりよいスタートです。
さらに慣れてきたら、壁腕立て伏せやチューブを使った背中の運動を追加してもよいでしょう。
ただし、最初から全部やる必要はありません。
まずはスクワットだけでいい。
週2回だけでいい。
このくらい低いハードルにすることが、継続のコツです。
よくある失敗は「最初に頑張りすぎること」
筋トレが続かない人は、意志が弱いわけではありません。
むしろ、最初に頑張りすぎていることが多いです。
「毎日30分やる」
「スクワット100回やる」
「週4回ジムに通う」
こう決めると、最初の数日はできるかもしれません。
でも、仕事が忙しい日、寝不足の日、雨の日、疲れている日が来ると止まります。
そして、
「やっぱり自分には無理だった」
と思ってしまいます。
でも、それは意志の問題ではありません。
設定が高すぎただけです。
筋トレ初心者に必要なのは、気合ではありません。
必要なのは、低いハードルです。
週2回。
5回から。
イスを使っていい。
限界までやらなくていい。
このくらいで始めたほうが、長く続きます。
痛みがあるときは無理しない
筋肉が疲れる感じは問題ありません。
ただし、膝、腰、股関節に鋭い痛みが出る場合は中止してください。
痛みを我慢して続ける必要はありません。
持病がある人、転倒リスクが高い人、関節に不安がある人は、医師や理学療法士などに相談しながら始めるほうが安全です。
筋トレは、無理をするためのものではありません。
生活をよくするためのものです。
まとめ
筋トレは、もっと簡単に始めていい。
ジムに行かなくてもいい。
重いバーベルを持たなくてもいい。
限界まで追い込まなくてもいい。
毎日やらなくてもいい。
まずは、
週2回。
スクワット。
5回から。
慣れたら8〜12回。
2〜3セット。
これで十分です。
大切なのは、完璧なメニューを作ることではありません。
今日、小さく始めること。
そして、来週も続いていること。
たった5回のイススクワットでも、ゼロとはまったく違います。
今日の小さな一歩が、10年後の自分の体を支えてくれます。
参考:
* Nicholas Nelson, Michael Rae, Peter Attia. Resistance training: lowering the barrier to entry. Peter Attia MD, May 30, 2026.
* Currier BS, Mcleod JC, Banfield L, et al. Resistance training prescription for muscle strength and hypertrophy in healthy adults: a systematic review and Bayesian network meta-analysis. Br J Sports Med. 2023;57(18):1211-1220. DOI: 10.1136/bjsports-2023-106807. PMID: 37414459.
コメント