top of page

髄膜炎菌ワクチン 〜推奨対象者、髄膜炎菌について〜

はじめに

 髄膜炎菌感染症は、髄膜炎菌によって引き起こされる感染症です。この記事では、日本で承認されている4価結合体ワクチン、その対象者、そして髄膜炎菌自体について解説します。


髄膜炎菌とは?

 髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)は、人々の鼻や喉に自然に存在する細菌の一種です。(何故か日本人の鼻や喉には髄膜炎菌はほとんどいません。)しかし、これが血流に入ると髄膜炎や敗血症を引き起こす可能性があります。特に免疫力が低下している人にとっては重篤な症状を引き起こす可能性があります。


日本と世界での状況

 日本では戦後、髄膜炎菌感染症の発生数は大幅に減少し、1999年以降は年間8〜22例が報告されています。日本では主にB群およびY群の髄膜炎菌が起炎菌として同定されることが多いです。しかし、世界全体では毎年約30万人が発症し、約3万人が死亡しています。特にアフリカの髄膜炎ベルトではA群が多く、先進国でも局地的な流行が見られます。




接種対象者

関連学会からの推奨に基づき、以下のような高リスクな個人に特に接種が推奨されています。


  1. 国際渡航者: 特にメッカ巡礼や留学生。

  2. 免疫不全状態の人:

  3. 特定治療を受ける患者: エクリズマブやラブリズマブなど。

  4. 集団生活者: 学校の寮など。

  5. 医療従事者: 特に髄膜炎菌感染症に関わる人。

  6. 研究者や検査技師: 髄膜炎菌を扱う可能性がある人。

  7. 大規模イベント関係者: 髄膜炎菌の流行地からの参加者と接触する可能性が高い人。


安全性と有効性

 日本で採用されているワクチンはA.C.Y.W髄膜炎に対するワクチンです。国内第1相臨床試験では、2〜55歳を対象に実施されています。そのため、2歳未満および56歳以上の人々に対する安全性と有効性はまだ確立されていません。


結論

 髄膜炎菌ワクチンは特定のリスク群にとって重要な選択肢です。対象となる可能性のある人は、医療機関での相談を検討することが推奨されます。


最新記事

すべて表示
インフルエンザ罹患後のワクチン接種は必要?

【冒頭】 「罹患したらワクチンは不要?」に答えます。結論は、回復後の接種は有用。別株や重症化を減らせます。 【要点】 自然感染の免疫は株限定で短い。(短いとはいってもそのシーズンは保たれる可能性が高い)季節内の再感染も起こります。中等度以上の熱やだるさがある間は待つ。軽い鼻水のみなら接種可。効果発現は接種後およそ2週間。 【具体】 • 未接種で罹患 → 治ったら1回接種。 • 既接種で罹患 → 追

 
 
 
インフルエンザの予防内服について 短編ブログ

【冒頭】 家族でインフルが出たとき。次の一手は48時間で決まります。 【要点】 ・予防内服は「接触から48時間以内」。 ・高齢・妊娠・持病がある人を優先。 ・健康成人は「予防内服」か「検査+早めの治療」。 ・薬はワクチンの代わりにはなりません。 ・家庭内感染はゼロにはなりにくい。 ・予防内服の守備範囲は狭い。 【具体例】 ・寝室を分け、換気とマスク。 ・食器・タオルの共用は避ける。 ・手洗いと手指

 
 
 

コメント


bottom of page